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極私的・現代演劇アーカイヴ


update 2019.01.15

岸田戯曲賞を読む岸田賞選評補足▼雑誌掲載戯曲一覧

岸田戯曲賞を主催する白水社のウェブサイトには、各年の候補作と受賞作およびその選評が掲載されていますが、第43回(1999年)以前の選評は未掲載です。
当ページでは、未掲載選評の一部を原典より転載いたします。一部とするのは、法律に定められた引用の範囲内に留めるためです。

〈引用のルール〉
・原則として、受賞作品に言及した評言のみを掲載(該当作なしの場合を除く)
・引用の分量は全体で、原典の三分の一以下。
・引用部は「」で括り、文言の省略をする際には~を使用して示す。
・出典を明記する。

第01回(1955年) ~ 第10回(1964年)
第11回(1965年) ~ 第20回(1976年)
第21回(1977年) ~ 第30回(1986年)
第31回(1987年) ~ 第42回(1998年)

第01回(1955年)
該当作なし
佳作・『壁画』 矢代静一

選考委員
     評言     
飯沢匡
2-2
岡倉士朗
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
杉山誠
2-2
久板栄二郎
2-2
山田肇
2-2
『新劇』昭和30年/1955年9月号選評掲載





第02回(1956年)
『楠三吉の青春』
大橋喜一


『畸型児』
小幡欣治

選考委員
     評言     
飯沢匡
2-2
岡倉士朗
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
杉山誠
2-2
久板栄二郎
2-2
山田肇
2-2
『新劇』昭和31年/1956年9月号選評掲載





第03回(1957年)
該当作なし
佳作・『明日を紡ぐ娘たち』 生活を記録する会・ 劇団三期会 (執筆責任:広渡常敏)

選考委員
     評言     
飯沢匡
2-2
岡倉士朗
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
杉山誠
2-2
関口次郎
2-2
久板栄二郎
2-2
山田肇
2-2
『新劇』昭和32年/1957年9月号選評掲載




第04回(1958年)
『島』
堀田清美

選考委員
     評言     
岡倉士朗
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
杉山誠
2-2
関口次郎
2-2
久板栄二郎
2-2
山田肇
2-2
『新劇』昭和33年/1958年9月号選評掲載




第05回(1959年)
該当作なし
佳作・『長い墓標の列』 福田善之
佳作・『漁港』原 源一
佳作・『友情舞踏会』 広田雅之

選考委員
     評言     
岡倉士朗
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
杉山誠
2-2
関口次郎
2-2
久板栄二郎
2-2
山田肇
2-2
『新劇』昭和34年/1959年9月号選評掲載




第06回(1960年)
『檻』
小林 勝

『相聞』
早坂久子

選考委員
     評言     
関口次郎
 
久板栄二郎
「選者の眼をアッと瞠らせるような作品が出て来ないものだろうか?欠陥があってもいい、技術的に未熟でもかまわない、何か新鮮なもの、 どきりとするようなものが……そんな期待で毎年選考に当るのだが~けっきょく『檻』と『相聞』を、まあまあと言うところで推す結果におわった。」
「一つは、リアリズムを目指しながら、素朴な、平俗な、自然主義的な描写に終っていること。も一つは、既成のドラマトゥルギーへの反逆を 試みながら、その気負いだけがムキ出しに感じられて、そこから新しいものを生み出すに至っていないこと。」
茨木憲
「小説家や詩人の、ドラマへの立ち向かい方には、在来の戯曲の枠にとらわれぬことを誇示するだけ、 というところある。それでいて、部分的には、お芝居のキマリを持ちこんでいる。」
「そのなかで『檻』は、まだしもまともにドラマをとらえようとしているものだと思う。」
「『相聞』も、とりたてて新しいものはない。しかし努力作ということと、数少ない女流作家のものだということが、『檻』一本にしぼるのはどうも、という 考え方に伴って拡大映写されてきた。」
菅原卓
「公式主義と無定見主義によって、戯曲文学が表出されている。この日本的現況は、ただちに、演劇表現の今日的欠陥を憶わせるものだ。 作者がコクメイに人間と環境と動作までも、定着させようとするか、でなければ、作者の思いつくままの抽出がならべられたりしているかだ。」
「小林勝君の『檻』が面白い。がしかし、小説と比べると、危機感が、結果として、ハズまぬ。早坂久子君の『相聞』は、これだけ書ければ、 問題となりうるのだが、二十世紀後半に、しかもなお、このスタイル(作者の)は、どうしたことかと思う。」
田中千禾夫
「『檻』は開幕早々から異様に乾燥した熱風が否応なしに吹きつけて、ただごとではない。これは単に刑務所という珍しい素材 の発散するものではなく、作者の異様な情熱のせいである。
 劇作家としては初めて聞く名前であるが、押出しも立派で、大したものだ。」
「『相聞』も前作とは別の方向で、ただならぬ力作であることはすぐ察せられた。こういう作品は、一生のうち、そう書けるものではあるまい。その意欲は男共をも凌ぐだろう。
 文体のやや古めかしいよそおいが、この激しい情熱と観念とにそぐはない。千慮の一矢とも言うべきか。」
木下順二
「『檻』のような一種拡散的な方法で、或る現代をとらえることは確かに可能だが、ドラマがドラマであるための集約性とその手法とをどう結晶させればいいのか というのは、全く私自身の問題である。」
「『相聞』のような一種古典的な方法で、或る感情を包むやりかたに確かに私は親近感のようなものを感じないわけではないが、 それと私の感じている現代とをどうつなげたらいいのかということは、これまた全く私自身の問題である。」
(選考は欠席)
小山祐士
「選考日のひにちを勘違いしたので『相聞』は、中途までしか読んでいなかったので、『相聞』の場合は私は棄権するつもりで出かけた。」
「『檻』は非常な力作であると思った。審査の結果は、関口さんがくわしく報告されるだろう。」
「どうして戯曲というものは、わが国ではこうもヤスデに書かれるのであろうか。」
『新劇』昭和35年/1960年9月号選評掲載




第07回(1961年)
該当作なし

選考委員
     評言     
岡倉士朗
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
杉山誠
2-2
関口次郎
2-2
久板栄二郎
2-2
山田肇
2-2
『新劇』昭和36年/1961年9月号選評掲載




第08回(1962年)
『日本人民共和国』
『メカニズム作戦』
宮本 研

『波止場乞食と六人の息子たち』
『コンベヤーは止まらない』
八木柊一郎

選考委員
     評言     
茨木憲
2-2
木下順二
2-2
小山祐士
2-2
菅原卓
2-2
関口次郎
2-2
田中千禾夫
2-2
久板栄二郎
2-2